「何だかおかしいなぁ」そう思いながらも遡行します。
しかし一向に林道に出られる気配はありません。
「こうなったら、斜面を登ってショートカットしてみよう」歩いてきた沢は山肌に挟まれた谷状になっています。ガレ場の斜面を登りはじめますが、開けた場所が見えてきません。足場も悪く、疲れも蓄積し、息が上がります。
空を見上げます。段々と暗くなってきました。
「やばいっ、このまま暗くなったら帰れなくなる」
\(゜ロ\)(/ロ゜)/
いよいよ焦ってきます。時計を見ると5時半を回っています。山の斜面に立ちつくししばらく考えます。
「このまま遡行して車道に出られれば、一番早く帰れるだろう。でも、もしここが枝沢だったら。。。」
結局一番確実に帰る方法を選択しました。
「来た道を戻ろう」しかし時間がないっ!
ガレ場の斜面を降りて行きますが、疲れと焦りが急いでいる足のコントロールを乱します。
そして何度もズルズルとおしりから滑ってしまいました。
「秋の日はつるべ落とし」闇の世界が近づいてきます。来た道は分かりきっています。迷うことはありません。ですが、暗くなると動けなくなります。今日は曇り。夜になったら何も見えないでしょう。気持ちは更に焦ります。とりあえず、手持ちのライトを着けます。
たいした光量ではありませが、それでも照らせば明るい。ないよりは幾分もましです。そして、念のため落っことしそうなものをベストにしまいます。偏光グラス、フライパッチ、など。そして、緊急用に持っていたホイッスルを取り出し、「僕はここだよ~、ピッピッ」と吹きはじめました。
足元はいよいよ見えなくなってきました。こんな時は、いろんなことを考えますね。
「暗くなって動き回るより、今日はあきらめてここで一泊しようか」
「早く帰らないと、捜索隊が出てしまうかも。そんな迷惑はかけられない」
「私有地で遭難なんて。。。」
「とにかく早く帰ることが大事。竿もベストも置いて、身軽になって早く帰ったほうが良いのでは。。。(←かなり切羽詰っていることがお分かりいただけますか)竿もベストもまた明日とりに来れば良いじゃないか」
「遭難となったら、嫁さん呼ばれるのか?でも今日は古代の湯(自宅近所の温泉&サウナ)に行っているから連絡つかないぞ。連絡ついてもどうやってここまでくるんだ?」
「明日のお祭りどうしよう」
気分はすっかり遭難者でした。本当に心細かったですよ。
疲れと焦りと暗さで何度もコケました。一番恐かったのは、沢に掛かった木の梯子状の橋でツルッとコケたことです。橋から水面までは2mくらいはあったでしょうか。たまたまうまく橋の上でしりもちがつけたけど、少し間違えば本当に危なかった(>_<)もし頭から落ちたら。。。その後はしばらくはその恐怖感でひざが笑っちゃって、梯子で足が前に出ませんでした。
そして、完全に暗くなる少し前、ついにうっすらと白い線を発見しました。
林道のガードレールでした!
感激です!助かりました!時計を見ると7時15分前くらいでした。
沢を横切り林道に出ようとすると「ん??」水没です。どこか穴でも開いてしまったようです。
「仕方がないか」ところが、あとで見たところ、こんなでした。
林道で帰る途中、心配して探しに来てくれた管理人さんに会い、車に乗せてもらいました。
結局、たけちんは知らぬ間に枝沢に入ってしまっていたのです。(シャロムの規則違反です)
管理人さん、ご迷惑をお掛けして本当に申し訳ありませんでした。m(__)m
今回は、枝沢に迷い込んでしまったわけですが、もっと早く気がつくべきだと大いに反省しています。
何故か完全な思い込みをしていました。沢は途中で分かれ、また合流するんだと。
それに加えて、もっと早く退溪を目指すべきだったのでしょう。少なくとも、分かれたところには初めて入ったのですから。いつも釣りに夢中になっちゃうんですが、もっと回りを良く見るようにしなければ行けませんね。
念のため断っておきますが、シャロムの森は、普通の注意力を持って規則を守っていれば、今回のたけちんのようなプチ遭難にはなりません。ルールを守って、釣りをしましょう。
帰りにいただいたカステラがウマかったです。(T_T)←泣ける味でした。